News

【ご提案】ワクチンによる豚コレラ対策とバイオセキュリティについて

2019年09月19日(木)

誠に残念なことに豚コレラの発症は、岐阜県、愛知県、長野県、滋賀県、大阪府、三重県、福井県、埼玉県と1府7県への感染が確認されている現状です。19日の報道によれば、農林水産省は従来「清浄国」維持を優先してきましたが、感染拡大の鎮静化を急がねばならないとして防疫指針の見直しを発表しました。その中で、収束の見通しが甘かったとしてワクチン接種は止むを得ない、今後どのような方法(発生地域のみか、全国一律で接種か)でワクチンを使用するかは検討し早急に対処するとのことでした。

豚コレラの脅威に立ち向かう生産者の方々は、ワクチン投与をし、「清浄化」「清浄国」までの道程をいかに短縮できるか、再び大変な努力を重ねて防疫措置に取組まれることになります。私たちも一日も早い良化を願うばかりですが、一方で養豚家の立場であれば、ワクチン接種を行わない方法で解決できればそれに越したことはないというのが本音であるにちがいありません。豚肉の品質保証である「清浄国」の格付けは、国際競争力を削ぐことなく国内の養豚業を維持発展するために欠かせないことだからです。
ワクチンは「弱毒化したウイルスの抗原を豚(動物)に与え、抗体の発現を促し、豚の免疫性を高めて感染症を予防する」というものです。また、「清浄国」でなくなり輸出が制限されるのは、輸入する側の消費者にとってその食肉に安全性を求めるからに他なりません。また国内の消費者にとってもそれは大事なことです。

昨今のマーケットの流れとして、消費者が抗生剤やワクチンなどの餌以外の投与を行なった食肉とその加工品を避ける傾向にあり、それは今後ますます高まっていくでしょう。
さらに考えなければならないのは、ワクチン接種だけでこのような感染症問題が解決できるのか?ということです。残念ながらそうではないのではないでしょうか。
ワクチンが後手の対策ならば、そもそも「清浄」というには、ウイルスが存在しない浄化された状態に戻し、また常にウイルスを侵入させないという根本的な先手の方法・技術が求められると考えます。
感染経路の多様さ、ただ猪が運んだと言い切れないということからも、豚コレラウイルスを移動させないこと、「面」で浄化をし、全ての有害細菌を死滅させ根絶するという農場バイオセキュリティの方法が有効であるといえます。
つまり「消毒」が重要ということになりますが、現在使用されている塩化ジデシルジメチルアンモニウム等を主剤とした消毒薬では、豚コレラウイルスは10分(処方による温度・希釈倍率で)といった長時間作用によらなければ細菌を死滅させることができません。噴霧したのちすぐに揮発し流れてしまえば瞬時の作用になりますから効果が弱い、全滅させることができず細菌が残ってしまうというの事実です。

一方、農場バイオセキュリティとして用いる「オゾン分子水」は薬ではありませんが、強力な「炭疽菌芽胞」を10秒以内(芽胞以外の病原体は1秒以内/国費研究で実証)で酸化分解することができます。沸騰した湯の中でも死なない耐熱芽胞菌を即座に分解できるのであれば、細菌、ウイルスへの作用は確実です。
さらに重要な養豚場敷地内、屠場、餌工場等への経路、往来する車両や物資に対して消毒ポイントを設けてオゾン分子水で洗浄し、徹底的に浄化して伝播経路を遮断します。流し掛けた瞬間に作用するオゾン分子水の機能は、即時に「清浄化」することが可能なのです。これは強力な対応として活用できます。加えて車両が錆びることもなく、周辺の環境に害を及ぼさない、また家畜の飲料水として用いても無害です。そのため農場全体、及び周辺の清浄化に有効であるといえます。

オゾン分子水(モルトロン)装置を設置された石川養豚場様(愛知県半田市)では、例年5月頃から発生するローソニア感染症(ネズミ等の媒介により伝染し一定の斃死が続く)が、本年は1区画の12頭のみ感染したものの拡大は止まり終息して被害がでない、という具体的な事例も報告されています。日量80~100トンもの使用水すべてをオゾン分子水に切り替え、洗浄及び豚への飲水に用いておられる結果と考えられます。幅広い病原体に対して効力を発揮し分解する機能により、農場内の汚染度は大幅に改善されるといえます。

最後に、隣国ですでに感染が伝えられているアフリカ豚コレラは、現時点で治療法・ワクチンなどの予防法のない感染症です。あってはならないことですがその脅威が迫っているとき「清浄」を保つためには、根本的な方策としてオゾン分子水が役立つと考えています。
これまで長きに亘り養豚業のみならず家畜生産に寄与されてこられた先達の努力を無駄にしないためにも、今後、対策に5年、10年はかかるとさえ危惧される「清浄化」への道程を少しでも短くし、健康な豚を守り育てる防護壁としてのオゾン分子水(モルトロン)技術を普及させることで私たちも農場の防疫に全力で取組んでいく所存です。

> オゾン分子水(モルトロン)の技術について
> オゾン分子水(モルトロン)システムの農場への活用について

株式会社アースシンク55
代表取締役 松村栄治